赤く: サンプルムービー
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赤くとは?

[ 49] 千と千尋が赤い理由
[引用サイト]  http://www.synapse.ne.jp/komurano/taiki/sen/

皆さんは、色温度というのをご存じでしょうか?いま見ているパソコンの画面。背景が白くなっていると思います。この色は何でしょう?「白」と答える方が多いと思いますが、実際には違います。写真をやっている方などは詳しいと思いますが、この白く見える画面にもちゃんと色がついています。ですから、フィルムの種類を間違えて撮影すると、青かったり赤い写真ができるんです。でも、人間の目はすぐ慣れるので、そういうことはあまり気にしませんよね?
千と千尋をはじめ(たぶん)、ハイビジョンのスタジオでは、この色温度を6500Kという色で作業しています。これは日光と等と同じ色温度で非常に一般的な色です。ちなみに、色温度は高いとか低いとかいいます。食堂やレストランなど赤く見えるのは低くて5000K位、オフィスなどの青白い蛍光灯は6700K位です。ちなみに、一般的なテレビは9300Kと非常に青白い設定になっています。(手違いで、この後テレビ(NTSC)の色温度を9700Kと書いてありますが、9300Kが正しい数字です。)
さて、では、ハイビジョンで作成された映像を一般のテレビで表示させるとどうなるでしょう?答えは、下の図の通りです。(誇張して表現してあります。)例えば、オリジナルで灰色の物をテレビで映すと青みがかって見えてしまうのです。これでは問題なので、色温度を変換させる必要があります。
さて、変換してみました。これで、9700Kで普通に見えるようになった…のはいいのですが、今度は6500Kでは、赤っぽく見えるようになってしまいました。でも、これは色温度という制限があるので仕方のない事です。
実際には、こういう補正もやらないという話もききますが、とりあえずこの補正自体に問題はありません。
さて、問題はここからです。基本的には、色温度を変換する時に色補正をして、作ったテレビの色合いはほとんど変更しません。ところが、プロデューサー鈴木氏曰く「ひとことでいって青っぽかった。」ということで、変換後の画像を「通常はやらないことなんですが、NTSC上でも、さらに色調整を行なったんです、フィルムの色に近づけようと。」どういう要件か分かりませんが、「宮崎駿監督の制作意図に応えるために、DVDの現場スタッフががんばったんですよ。私たちにとって、あたり前のことですから。」というわけで、次のような処理を行いました。
テレビの画像は、R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)の光の三原色というものを利用して作られています。これらの色を全て点灯させると白になり、消すと黒くなります。青く見える画像を赤くするためには、赤い光をより一層強くするか、青い光を弱くするかです。千と千尋では、9700Kで綺麗に表示されるように、赤の光を強くして、青い光を弱くしました。下の図は実際に千と千尋でやった比率で調整した物です。(下に映画から引用して例で挙げる画像の服の白の部分が真っ白だったと仮定した場合です。)
さて、テレビで見た場合、とんでもない色だったのが(本当に、ちょっと、どうしていいか分からないような色なんですが…・・・。)補正されて、ちょうどいい色になりました。ハイビジョン環境(スタジオ)で見ると赤すぎるけど、色温度の関係で仕方がない…。そう、おもったそこの貴方、良く見比べてみてください。
上の補正済みの画像を見て、他のDVDはこんなに赤くないぞ!と思った方、まったくその通りです(笑)他のDVDは具体的にどの様な処理をされているか、詳しく書きましたので、こちらをご覧下さい。
さて、ここまでの説明で、どうして千と千尋が赤く見えるか、ご理解頂けたと思います。では、ここでは、何故こんな突拍子もない事をする事になったのか説明していこうと思います。
色温度というのが、どのようなものか理解して頂けましたか?上の図では分かりにくいかと思い、もっとシンプルな図を用意してみました。次がその図です。一番最初の説明の通り、ハイビジョン環境のスタジオで作った画像を、そのままテレビで表示させると青白く表示されてしまうので、補正を行います。下の図は、補正済みの色です。
補正済みなのに、色温度が低い方は赤く、高い方は青く見える?…実際は、両方の画面とも、真ん中のように背景は白く見えるのです。でも、実際には上の図のように色がついているのです(誇張してあります。)いまいち分かりにくいですか?
人間の目は非常に良くできています。例えば手紙を見ているとします。その手紙を持ったまま、レストランやトイレ(色温度低い)に行ったり外に出てみたり(色温度普通)、オフィス(色温度高い)に持って行ってみてください。どれも同じように白く見えますよね?これは、目がかってに補正してくれるからなのです。(ここら辺の説明は、写真やっている人じゃないと、わからないかも…)
補正さえすれば、色温度の差は目が慣れます。…しかし!スタジオジブリの人やブエナビスタの人はそうではなかった!やっぱり青く見えてしまったのです(笑・上図右端)これは、そういう仕様なので理屈上どうしようもないのですが、そこで終わらないのがこの方々のすごいところです。なんと、変換した画像を、自然に見えるように補正したのです。先に書いたように、赤を強くして青を弱くします。すると、こうなります。
画面が暗すぎる?補正前の画像が青すぎるからです(笑)でも、実際にこのような補正が行われています。では、この補正を行った物をハイビジョン環境のスタジオ(色温度低い)で観賞するとどうなるでしょうか?…こうなります。
上の補正済みの画像を、ハイビジョン環境のスタジオなどで表示させた物と、オリジナルデーター
さて、まとめますと、テレビで見た時には映画で見た時より青っぽく見えるので、画像を赤くしたとそういうことです。えー、先にも書きましたとおり、人の目は色温度を自動的に補正する機能に長けているので、少しぐらい赤かったり青かったりしても気になる事はあまりありません。単独のソースしか無い場合は、「こういう色なんだ」と納得してしまう事の方がおおいと思います。
が、ジブリのスタッフはそれでは納得しませんでした。「色温度の高い画面で低い映像を再現する」この目的を達成するために、画像を赤くしてしまったのです。そうする事により、確かに色温度の高いテレビでは期待通りの色を表示する事ができるようになりました。が、オリジナルデーターは赤いんです。ハイビジョンテレビでも赤く見えるかも知れませんし、補正に使ったテレビの色温度が必要より高かったためか、一般のテレビで見ても、やっぱり赤っぽく見えるんです!
「普通の補正」で補正した画像は、慣れないと確かに青っぽく見えるかも知れません。が、普通に見る分は、普通に見えるのです!それなのに、多くのデーターを捨てて、一部の環境で綺麗に見えるような商品を作ったのです。
DVD化の具体的な手順は下の通りです。(HiVi8月号の記事を参考に推測で書きました。)
「千と千尋」のデータはコンピュータ上にしか存在しません。セル画の場合、セルの色を見ればどんな色なのか確かめる事が出来ますが、コンピュータの場合、表示するデバイス毎に色が変わってしまうため、確認する事は不可能です。これを解決するために、撮影監督・奥井敦氏が使っている「バルコ製マスターモニター」を基準の色として、奥井氏立ち合いの元補正が行われました。色温度は6500K、2010×1068ピクセル、24Pの48bitRGBデータです(たぶん)。これが「正しい千と千尋」です。
まず、上のマスターデータをハイビジョンの形式に変換します。まず、大きさをハイビジョンサイズの1920×1080ピクセルにトリミングし(サイズが微妙に異なるため、画面に出ないといけない部分がはみ出る恐れがあるので、どの部分を表示させるか調整します。)、走査線数1080本、24コマのプログレッシブハイビジョンマスターができました。ハイビジョンは6500Kということになっているので、恐らく6500Kだと思います。…撮影監督はこの時点で立ち合い、補正を行ったということです。(コンピュータ上の発色とハイビジョン上での発色が違うため、色の補正を行う必要があります。)
モニタの色温度を勘違いしていたので、実際にはこの段階でも色温度の変換が行われていた可能性もありますが、詳細は不明です。
ちなみに、DLP上映用データは1280x1024(RGB 8bit)だそうです。(同上)モニタの方をフィルムに合わせているので、こちらは特に変換することなく出力できていると思います。
次にハイビジョンマスターを480/60iにダウンコンバート(画像をDVD収録用に小さくして、プログレッシブ画像をインターレスに変換する)して、D1マスターテープ(スクイーズ収録)を作りました。色温度は9300K(誌面に明記されています)で走査線が480本、30コマインターレスのコンポーネントマスタができました。(現行では、480/24Pで保存する規格が無いためD1の480/60iになったということです。)プロデューサーの鈴木氏の発言によると、この段階で、「青っぽかった」という事になり、NTSCモニター上で確認しながら調整したということです。特典映像では、フィルムから映像をとり、普通やらない調整が行われていないので、一般的な色合いで楽しむ事が可能です(制作サイドから言えば、やや青みがかっているとも言えます。)。
(スクイーズ収録という事なので、実際には、画像が縦長に記録されているんですが、気にしないでください。)
DVDで保存するために、画像を縮小します。基本的にはこの段階では色補正をする必要はないと思うのですが…、
ハイビジョン→D1の時に色温度を変換したときに、「青っぽかった」ので赤をかぶせました。
9300Kで見た時には、最初の画像を忠実に再現して見えますが、データは赤くなっています。
そして、やっと、DVDに収録です。DVDでは、逆2-3プルダウン処理を行う事により、走査線480本、24コマのプログレッシブ、9300KのDVDの完成です。実際には、色温度は便宜上つけてあるだけであり、DVDの映像の色温度が何色である…という指定はありません。9300Kで表示させれば、制作者側の意図した表示ができるということです。尚、ビデオもDVDと同じマスターを利用しているため、環境によっては赤く表示されます。
ここで書きました事は、鈴木氏のHiVi誌での発言を根拠に、推測で書かれています。ここで書かれている内容に疑問をお持ちの方は、まずこちらを読んで頂ければと思います。氏の発言の概要を書きますと、「ハイビジョン(デジタル)で映画を作成し始めてから今まで、DVD化の際には、ハイビジョンマスターからテレビ(NTSC)に、色温度変換も含めて単純にダウンコンバート(変換)して、テレビ(NTSC)と同じ9300Kのモニターで確認してきた。が、千と千尋では、監督がこだわっていたこともあり、DVDの現場スタッフが、テレビ(NTSC)上で色補正を行った。(青かったので。)」ということです。
色の話が出てきた時に、赤だとか黄色だとかいう事が取りざたされますが、色温度は図に表すと、だいたい下のようになります。低い色の場合、黄色、橙、赤の順を追って色が変わっていくように見えます。実際は、人の目には「白」にしか映らないので、写真に撮ったりしないと分からないと思います。(ネガフィルムは、現像時に補正をかけてプリントするので、同じくわかりません。)
ちなみに、テレビ(NTSC)の色温度は9300Kです。間違って途中から9700Kになっていて、引用した画像も9700Kで撮影致しました。たぶん、それほど差はないので、読み替えて頂ければ幸いです。ハイビジョンのほうは6500Kで問題ないです。
↑6000〜6500K=太陽の表面温度を基準にして相対的に表した図、とのことです。(絶対的に見ると、中央付近にも色が付いていおり、例えば中央付近の6500Kだったら黄色い色が付いているということです。)上のような図しか見た事がなかったため、なんの疑いもなく掲載しました。ご指摘有難うございます。
上にデーターの損失量を挙げていますが、これは引用した画像の服の白い部分が真っ白だった場合を仮定した時の数値です。DVDは、プレーヤーによって出力される画像が違ったりするので、この数値が絶対である保証はどこにもありません。参考程度にご覧下さいますようお願い致します。(正確な情報は、リッピングする必要があります。一部リッピングしてデーターが赤かったと確認されたという情報もありますが、詳しい情報は得ておりません。)
●色かぶりを自動的に補正する機能(オートホワイトバランスやRGBゲイン補正機能)が付いている場合、機器が色かぶりしていると判断して、色合いが自動的に補正される事があります。これは、映像自体の色がおかしかったり、ケーブル等の損傷で正しいデータ転送が出来ていない場合に画質を確保するための機能です。この機能でかなり、正しい色合いで表示する事が可能です。
●特典映像では、フィルムから取り込まれ普通やらない補正は行われておらず、単純にダウンコンバートしたものが使用されているため、普通に市販されている一般的なDVDと同じように視聴する事が可能です。逆に、制作者の意図からすると、やや青っぽい画像を見ている可能性があります。
●外国版では、放送方式の違い等により、日本よりも低い色温度でテレビが放送されていたりするので、その国用に作られたDVDは、赤みが抑えられています。例えばアメリカではテレビが6500Kで放送されているため、データ自体、赤くなっていることは無いと考えられます。
●日本版も9300Kのモニターで表示させれば、制作者の意図通り表示されるはずです。たぶん。
千尋DVD(千と千尋の神隠しDVDに関して2ちゃんねるで出ている情報を集めてみました。)−主に、掲示板群「2ちゃんねる」に寄せられた投稿などを整理、収集しているサイトです。通称「赤問題研究室」。大量の情報が掲載されています。
赤い「千と千尋」リンク−「千と千尋」が赤い問題についてのリンク集です。マスコミ及び掲示版へのリンクが充実しています。
ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント−「千と千尋の神隠し」DVD及びビデオの販売元、ウォルト・ディズニー・ジャパンの映像ソフト販売部門。同社はこの問題は不具合ではないとしている。
スタジオジブリ−「千と千尋の神隠し」を制作したスタジオ。色彩の決定はこちらで行われた。こちらも、不具合ではないとしている。両者間の意志の疎通がうまく出来なかったか、ジブリがこのことを承知で処理を強行させたかで責任の所在が異なる。

 

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